万国の労働者団結せよ!
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と、書き出されている。
広場の土は数十万の勤労者の足に踏みしだかれ、ポコポコになって、昼間の熱気を含んでいる。ところどころに急設された水飲場の水道栓から溢れる水が、あたりの砂にしみている。河の方から吹く風は爽かだ。
広場に向って開いているラジオ拡声機からは、絶え間なく、活溌な合唱、又は交響楽がはじきだされる。
すばらしいメーデーの飾をみようとして、広場に集まる群衆は一時過ぎてもたえなかった。
ソヴェト同盟で、社会主義的社会建設のために全プロレタリアートが闘っている。農民が闘っている。あらゆる芸術家が同時にそのたたかいに参加している。
メーデーに家にひっこんでいるソヴェト勤労者が一人もいないように、よろこばしいメーデーのために動員されない芸術家というものもない。
たとえばレーニン廟の板がこいに誰があんな壁画を書いただろうか。
プロレタリア画家達だ。メーデーが近づくと、モスクワ・ソヴェト文化部は組織的にプロレタリア画家団体にその仕事を分担させたのだ。
ほとんど夜中まで広場中に鳴り渡った華やかな音楽は、ソヴェト音楽家達のメー
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