ワンダ・ワシレーフスカヤ
宮本百合子
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(例)[#地付き]〔一九四八年七月〕
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ソヴェト同盟との間にとりかわされていた不可侵条約をやぶって、ナチス軍がポーランドからウクライナへ、モスクワへ、レニングラードへと侵略しはじめた一年後、一九四二年八月、ソヴェト同盟の新聞『イズヴェスチア』に「虹」という小説が連載された。作者はポーランドの婦人ワンダ・ワシレーフスカヤといって、それまでは作家としてよりむしろ政治的な活動で知られていた。彼女はモスクワに在ったポーランド解放委員会の議長であったし、ポーランド独立軍の組織者の一人でもあった。良人のコルネイチュークは、ウクライナの人で、ウクライナ共和国の外務人民委員をしたばかりでなく、ウクライナ出身の詩人、劇作家としてソヴェト同盟では一流の文学者でもある。
「虹」は、ナチスに侵略されたウクライナの農民が、手段の限りをつくした侵略軍の残虐と脅威にさらされながら、ほんとに村中がつりあげられてゆく悲劇にたえながら、人民の最後の勝利を確信し、自由と平和のため
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