ルポルタージュの読後感
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)幾何《いくら》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)男|幾何《いくら》、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九四一年五月〕
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今月、私のところへ送られて来た原稿は全部で十篇でありましたが、その殆どが、働いている女性の生活記録であり、さもなければ外に出て働いていなくても家庭で無くてはならない人として暮している女性たちの文章でした。
熱心に書かれていると思いましたが、やはりまだルポルタージュというものと感想文というものとの区別が、書いている方自身にはっきりつかめていないのが半数を占めたのは残念です。
報告文学(ルポルタージュ)と感想文との根本的なちがいは、次のようなところにあると思います。報告文学というものは、ここに一人の人があって、その人が経験し見聞した事実、事件、問題などを具体的にそれがあったとおり記述してゆきながら、その記述をとおして書いている人がその事実なり事件なりの意味をどうつかんでいるかということも読者に感じ
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