メーデーに備えろ
宮本百合子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)温順《おとな》しく
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九三二年四月〕
−−
各地方支部婦人同盟員及び婦人サークル員諸君!
いよいよもう数日でメーデーだ。私達はこの日が労働者農民一切の勤労者にとって、どんな意義をもった日であるかはいろいろな機会に学んで来ている。だがしかし、今年のメーデーは特に労働婦人、貧農婦人、そして一切の搾取され圧迫されている婦人にとって、大きな意義を持っているということを時日の切迫した今日更めて強く心に入れ、その意義がどうすれば生活の上に生きるかを知り、その事を実行しなければならぬ。
今度の戦争で夫、兄、弟、息子など身近かな働き手を奪われた後の婦人は農村と都会を問わず食うべき食があろうと無かろうと、一家の口を糊して行く責任を全く負わされているし、男子と共に工場・農村で働く婦人はせいぜい男子の三分の二の賃銀で男子と同様、どんなに忙しい軍事関係の工場でも、今迄通りの人数で今迄よりより多くの品物を作らせられる関係上ブッ倒れるまで
次へ
全4ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング