はヨーロッパ戦争前の賃銀の平均三倍の賃銀を貰っている。
ソヴェト同盟の全農戸の半分が集団農場に組織された。
集団農場で働く農民の収入は、個人耕作をやる農民の年収の倍、或は三倍だ。それはそうだろう。第一税がひどくやすい。集団農場を組織して三年間は無税だ。種代、農具代は、政府の補助がある。集団農場員が冬を越すに必要な薪を伐り出す森林はタダで国家からもらう。集団農場員の家族は、年寄、子供で働けない者でも、集団農場が養って食わしてくれるのだ。何と安心だろう!
しかも、集団農場にはグングン無料託児所や、共同食堂、クラブなどが出来ている。
クラブは、都会の労働者クラブと同じだ。そこでいろいろ勉強が出来る。音楽サークル、文学サークル、演劇サークル、赤色救援会の組織などがある。五ヵ年計画でキネマ館が一万五千三百軒から八万七百軒にふえる。ラジオは四百万人が聴くようになる。
実際、ソヴェト同盟は働く者の国だ! 芝居、音楽会、キネマなんかを見るのに、労働組合員は半額だ。
毎年盛んなメー・デーのデモが行われるが、翌日五月二日の祭りには、あらゆる興行物が無代でスッカリ勤労大衆のために解放されるのだ。
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