にプロレタリア・イデオロギーの把握に努力すること、そのまんま入って来て、そのままにのこるのではなく、実践に於てよりよい階級の文学的闘士であることを証明すべきことを条件として、この加盟を歓迎した。
「鍛冶屋派《クーズニッツァ》」も合同案を提出した。が、これは、「ラップ」が、その中から或る数人だけの参加を可決したのに対し、「鍛冶屋派」は、団体全体をそっくり合同させたい希望で、大会では決定しなかった。(後、「ラップ」の詮衡委員会が組織され、この問題の実際的解決に努力している。)
さて、「ラップ」陣営内における自己批判の問題だ。「一週間」の作者リベディンスキーは、ソヴェトのプロレタリア作家として、世界的に知られている。彼が「英雄の誕生」という長編を雑誌に連載しはじめた。丁度、五ヵ年計画の実践によってプロレタリア・リアリズムの問題が発展しつつある時だったので、この大作は、サークルをこめてすべての文学陣営から非常な注意をもって迎えられた。
同じ「ラップ」に属する詩人で、ベズィメンスキーという人がある。詩人の中での重鎮だ。彼のもっている文学理論が、これまでも頻りに「ラップ」内で批判の目標となった
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