旺盛な自己批判が、「ラップ」陣営内に開始されたことだ。
(3)[#「(3)」は縦中横] ――厳密な自己批判――
一九三〇年、二月、マップ(モスクワ・プロレタリア作家同盟。ラップの地方組織)大会が開かれた。
これはソヴェトのプロレタリア文学運動にとって記念すべき大会の一つだった。この大会のとき、マヤコフスキーの組織する「革命戦線《レフ》」及ウェーラ・インベル、セリヴィンスキー等の属する構成派の「ラップ」加盟が問題とされた。一九一七年来功績あったマヤコフスキーと構成派に属する若い二三人のプロレタリア作家が「ラップ」にうけ入れられた。
五ヵ年計画の実践をとおして、階級意識を一層たかめられたソヴェトの勤労人民は、マヤコフスキー一派の、言葉の英雄主義では満足しなくなった。構成派が革命に対するインテリゲンツィアの任務を過大評価している点、的はずれな機械力への讚美、生産労働に対する異国趣味を、はっきり批判するようになって来た。成長した大衆からの批判は、これ等団体の自己批判を刺戟し、「ラップ」加盟の動機となったのだ。
「ラップ」は新しい加盟者たちが、彼等との共同戦線において更
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