運動に潜入してトラクターその他の農村工業化の手段を富農層によこどりしようとするこんたん[#「こんたん」に傍点]であることが判明した。
「ラップ」に加盟しないプロレタリア作家と「同伴者《パプツチキ》」左翼とがあつまっている「ペレワール」という団体がある。ソヴェトの文学理論家として有名なウォロンスキーが組織者だった。
ウォロンスキーは党員だ。そしてマルクシストだ。文学理論家としても、彼には認めるべき功績があった。ウォロンスキーは、将来、よいプロレタリア作家を出す層としてコムソモール、労働・農村通信員、労働大学《ラブファク》の若者たちに党の着目を向けた。検閲の改正を或る程度まで寛大にしろと云ったのも彼だ。プロレタリア作家の物質的条件の改善、文学の仕事の特長として特に作家の住宅問題が解決される必要を云った。『赤い処女地』の編輯者として、多くの若手作家を紹介した。そして、一九二四年代に、プロレタリア作家たちが、「工場的抽象的ロマンチシズム」に立てこもり、現実から離れた不自然な楽観主義で、所謂「木造の赤い聖画」(空虚な宣伝文学)制作に満足しているべきでないこと、過去の文学の伝統に対する清算主義を
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