ャルスキーが、彼の歴史的場所を、ズブノフに譲った。芸術院が改造されピクサーノフ教授、サクリーン教授などが退いた。
 この灼熱的な客観的情勢の中で、ソヴェト文壇にあるいろんな作家団体が愈々その階級的立場を大衆によって批判されることになったのだ。

      「ラップ」の社会主義的行軍
       (1)[#「(1)」は縦中横] ――「同伴者《パプツチキ》」の没落――

 ソヴェト・ロシアは働く人民の国だ。
 目下社会主義の社会を建設する過程にある。
 また、世界で、ただ一つプロレタリア革命に勝利した社会主義社会として、他の資本主義社会と、全くちがった社会的な基礎の上に立っている。
 ソヴェトの文学運動の中核が、プロレタリア文学にあるのは、ソヴェト社会生活の必然である、また、階級の生活的な現実を芸術に表現するものとして、その階級文化の所産・武器としてソヴェト文壇に並存するいろんな流派を指導し発展の方向を示すのがプロレタリア作家団体であるのはわかりきったことだ。
 一九二五年に、現在のロシア・プロレタリア作家連盟(ラップ)が全ソヴェト・プロレタリア作家連盟(ワップ)という名称で、第一回の
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