仕度をやっている。
どのブルジョア国でもゆきづまった資本家どもは死物狂いになって、極力、労働者・農民の反抗を根こそぎにぶっ潰そうとかかっている。このファッシズムと闘って、たとえばドイツではこの十ヵ月間に十一万人の労働者が投獄された。負傷者はおよそ二十三万、死刑八百十三人という狂気のようなファシストの弾圧のなかを恐れず婦人労働者は、真のプロレタリア解放とソヴェト同盟を守れ! と叫んで闘っている。
ソヴェト同盟の婦人労働者はどんなことがあっても五ヵ年計画を四年でやりとげなければならない。そして帝国主義戦争に絶対反対、ファッシズム絶対反対を叫ぶ世界の姉妹と団結し、最後の戦いをともに戦うプロレタリアの新な誓いと決意の日なのである。オーリャが読み終ると、赤い布で白髪をつつみ、腕組をしたままじっと聞いていた六十八歳のアガーシャ小母さんがつよい声で云った。
「見ていろ! 世界のプロレタリアはどうしたって勝たずにはいないんだ。わたし達は元この工場でどんな具合に搾られていた?――それが今はどうだろう!」
アガーシャ小母さんは、革命前からもう三十五年もこの煙草工場で働いている。臨月まで働いていて工場
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