者でも、ソヴェトの文化に真に価値ある功献をしたものは、こういう待遇をうけるのだ。
それにしても古くからの俳優と、МОСПС《エムオーエスペーエス》劇場、「劇場労働青年《トラム》」劇場の連中との違いは、全く歴史的相異だね。
はじめっから出来が違うんだから、МОСПС《エムオーエスペーエス》にしろ、「トラム」にしろ、俳優演劇労働者は、みんな本当に工場の職場で働いていた連中だ。大部分がコムソモールだ。「トラム」のグループなんかは日常生活まで共産制にしてやっている。ソヴェトには、劇場の標準形態とでもいうようなきめがある。工場や役所にあると同じ「赤い隅」「図書部」「討論」「研究会」定期的集会。それ等管理の委員制を各劇場はもっていなければならない。「研究会」は必ず専門の芸術的研究と並行して、政治教程《ポリト・グラーモタ》の勉強をやっているのだ。従って演技も古い連中とは違う。故小山内薫氏が革命十年記念祭にモスクワへ来て、いろんな芝居見て、結局役者の上手なのはモスクワ芸術座しかないと云ったという噂をきいた。或る意味では真実だ。しかし問題もあるんだ。
現代ソヴェト共産青年、若い農民、学生、労
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