ソヴェトのピオニェールはなにして遊ぶか
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)伐《き》って

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)革命[#「革命」に「××」の注記、底本の親本「河出書房 宮本百合子全集」で伏字を起こした個所]
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 夏になると、ソヴェトのピオニェールは、たいてい避暑にでかける。避暑といっても、ブルジョアの子供たちみたいに、おしゃれした母親といっしょに、海岸の宿やへ行ったりするんじゃない。
 ピオニェール分隊が、景色のいい田舎や海べに野営地をもっていて、ピオニェールたちは、無料で、一ヵ月ぐらい、楽しくそこで暮すのだ。
 モスクワと云えば、ソヴェト同盟の首府で、世界の革命[#「革命」に「××」の注記、底本の親本「河出書房 宮本百合子全集」で伏字を起こした個所]的プロレタリアートの都だ。そこのモスクワに東京で云えば本所区、浅草区と云うようにいくつか区がある。区のピオニェール分隊は、モスクワ郊外のいろんなところに、それぞれ野営地をもって、夏の間に何百人というピオニェールたちが暮してる。
 天気のいい日、汽車にのっ
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