ソヴェトの「労働者クラブ」
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

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(例)[#地から1字上げ]〔一九三一年十一月〕
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 ソヴェト・ロシアには、「労働者クラブ」と云うものがある。これは労働者自身の家で、自分たちの労働が終った後に誰でもが行って楽しめる「クラブ」なのである。
「労働者クラブ」には、直接工場に附属しているものとそうでないものとある。もう一つは、生産組合によって建てられた、産業別の「大クラブ」で、工場に属さずに地区的になっている。
 この「大クラブ」は産別は違っても、その地区の住民――勿論労働者だ――は利用することが出来る。例えばある地区に大きな金属産業の「クラブ」があるとすると、その地区に住んでいる繊維の労働者もこれを利用することが出来る。ただ、現在の五ヵ年計画による社会主義都市の建設は、大きな工場を中心として「クラブ」や食堂、病院、学校などを建設して行くから自然産別に於て統一される。
 労働者クラブはどう云う風になっているかと云うと、工場内の「小クラブ」でも音楽、文学、映画、演劇、政治研究室、及び
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