図書室が、必ずついている。其の他に「母と子」の部屋と云うのがあって、婦人労働者及妻が集会や映画を見たり演説を聞いたりする間に子供を遊ばせて置く処である。「大クラブ」になると、体育室、水泳プール、大きな演劇の舞台、軍事教育、ラジオ、ピンポン、衛生室(特に性病予防の知識を与える)、図書室、外国語の研究室、食堂などまである。
 共同農場でも同じ様で、大きなものになると、収穫時にはキャンプ生活をやるのだが、その一つのキャンプが「クラブ」になる。ラジオ、読書室、キャンプ新聞発行所等があり移動映画隊を利用する。「クラブ」の映画について云えば、映画の研究と見学批判をする映画サークルの様なものが出来ていて、いつも研究し合っている。「クラブ」に於ける映写は、非常に安い料金で、ソユーズ・キノの移動隊が「クラブ」の為めに特別に作った映画を見せてくれる。みんなは、その映画をどしどし批判してソユーズ・キノの活動を活溌にしている。「労働者クラブ」の一ばん大きいのは鉄道従業員のクラブで、印刷労働者のも大きい。映写室でも大きいのになると、千人も入れるのがある。
「クラブ」では、自分等で詩や小説を作り、芝居をやっている
前へ 次へ
全3ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング