自やっているもので、だからソヴェトに於ける社会的生産上のサーヴィスというものは、自分達に対してサーヴィスすることだ。提供すべき生産力と、提供した生産力に対して受けるものの比例は、理想からいえば、出来るだけ均等なものにしようとしている。
例えば家庭というものは女にどうしても用が多い。洗濯をする、炊事、育児、そういうものをソヴェトでは出来るだけ社会的にしようとしている。炊事でもめいめいが台所で僅の材料を買って、時間を費して、大して美味くもないものを拵えて食べているより、モスクワでは既に出来ているが、大きな厨房工場、台所工場、そこで科学的に原料を調べて、この牛肉は何時に殺した肉だから、何時間後に何分煮て食べたら美味いかということまで調べて、調理し、そういうものを安く食べさせる。そういうことは非常に皆理想としていることだし、また女の非常に望むところで、こうすれば家庭の奥さん方の負担しているところがなくなる。そういうものを全体に社会主義化してやろうということ。これが家庭の日常生活の上で大きな意味をもってる。
食ったり飲んだりすることは、生活の準備行動で、その準備行動をもって一日過ぎてしまう日
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