とは根本的に性質が違う。だから恋愛の自由とか、家庭における女の地位の拡大、そういうものでも、要するに生産単位として、女が男と同じ技術、地位を有っているということから出発する。
 以前のロシアは御承知の通り結婚する娘達が髪を編みながら悲しみを歌って結婚した状態で、女の文盲率というものも高かった。教会の坊主は亭主に絶対的服従を強いた。それだから、革命後の現在でもそういう歴史的理由によって一般の知識程度が男より低いということは勿論女自身知っている。だからいろいろなクラブの研究会や、文盲撲滅研究会、実際に工場に於ける熟練工に自分をすること、そういうことは非常に熱心にやっている。で第一ソヴェトでは男も女も同じ労働に対して同じ賃銀を払う。同じ賃銀を払うということは同等の技術を要する。だから女の技術が実際男と同じ熟練工でなければ、事実上の賃銀というものは低いわけです。で、女の労働者の中では、熟練工の少いということは、非常に自分達の文化の低いこととして一生懸命その技術向上に努力をしている。
 ソヴェトの生産そのものは中間にはさまって搾取する人間のための生産でない。循環して自分達に来るものを、分割して各
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