うでなければ労働者同意の上、或る場合は次の職業が見付かるまで、猶予してやらなければいけない。
 女は尚更で、例えば、姙娠しているものは五ヵ月以上は解雇してはいかぬ。(工場に働いていることによって、職業組合の方から出産前二ヵ月と、出産後二ヵ月、前後四ヵ月の月給付きの休みを貰う。それから尚出産の仕度金を貰い、また出産後九ヵ月間子供の牛乳代を貰う。)それから乳飲児をもって一年以内のものは最後まで解雇しない。また年寄には養老保険がある。五十五か六十で養老保険を付けて、そして職業を離れてもよいことになっている。特に合理的なのは、除隊兵が若し入営まで労働者だったとすると、除隊後職業を見つけるまで生活保証を受ける。また労働者のためには特に「休息の家」があって、ソヴェトの生産別職業組合は「休息の家」へ二週間から一ヵ月、労働者を送って休養させる。
 それから、ソヴェトでは女が生産単位としては全然男と対等な権利を有って、経済的に独立している。生産単位として女が全く男と同じ地位にいるという点で、その余のいろいろなものが、変って来るのは当然のことで、ただ他の国の婦人参政権、あれとソヴェトの女の獲得している自由
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