しつつあるということ、これは誰も否定することが出来ないものである。そこにソヴェトの未来の強さがある。
それから音楽教育――音楽なんかでも、音楽の専門的な発達のための努力とその音楽を一般的に民衆に分からして行くこと、それから民衆自身が何か自分達の楽しみのために、或は集会の時に、示威行列の時に、自分達の楽隊で演奏するために、音楽の研究会というものは大抵どの倶楽部にもある。そこで主として吹奏楽、それでなければギターやバラライカを主にしたもの、それで一週間に何度と仕事のあとそこへ行って研究する。例えばメーデーの時、革命記念祭のデモンストレーションの時には、各工場は自分の工場の音楽隊を先に立てて行進して来る。
専門的な音楽の発達のためには、ソヴェトは音楽学校の非常に程度の高いものをもっている。そこでシーズンが来ると、外国から来る人もあって盛んにやっている。それは全然専門的なもので、毎年専門技術家を卒業させて、新しい演奏家、作曲家がどんどん出て来る。
ソヴェトでは昨今音楽でも一般的なプロレタリアートの精神を現した音楽と同時に、ロシア民族というものの有っている特徴を音楽の中に生かすことを問題と
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