知識の普及、衛生知識の普及、今日五ヵ年計画がどう行われているかというニュース、そういうものを芸術的にどう表現していくかという点に特長がある。同時に芸術的に技術的に非常に進んでいる。日本のように単なる娯楽というものでなく、娯楽というものを如何に社会的に有効に利用するかという、つまり教育的に使っている。それでいて芸術的価値は非常に十分に含まれている。だからソヴェトの映画を見ると、芸術を通してどれだけ知識の普及が出来るか、どれだけそういう目的をもった作品が高い芸術性をもち得るかということが分って、随分いい勉強になるわけである。
この前では、一般の学校教育のことを話したから、きょうは芸術教育及び子供の劇場、そういうことについて少々お喋りして見たいと思う。
我々が子供だった時に、子供芝居というものがあって、そこで昔からある、カチカチ山、瘤取りなどというものを有楽座で見た経験がある。大して面白いものでなかった。それ以来日本で子供のための子供の劇場というものが余り発達していない。
現在松竹が一生懸命販売政策でもって、いろいろの新しいものをどんどんやっているが、本当に次の時代の人間のために考え
前へ
次へ
全38ページ中21ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング