康状態を改良して行こうという努力は非常なもので、母性保護研究所なんかへ行って見ると非常によく設備してある。
それから例えば子供を生む時は産院へ無料で入れる。産院を出ると、お母さんと子供の住んでいる区の健康相談所があって、そこへ産院からその子供がどんな発育状態で生れたか、お母さんはどういう健康状態の下に乳を与えているかということ、性病の遺伝があるかないか、そういうことを記入した子供と母親とのカードが健康相談所へ廻る。そうして無料で子供の健康診断を一月一度やってくれる。或る程度に子供が育つまで……若し子供の体に異状があったり、お母さんの体に異状があったりすると、健康相談所から病院へ報告してくれて、無料で病気を直してもらえる。ソヴェトの保健省は全国民を無料で医療させるということを目標にしている。農村の方の衛生準備はどうしても遅れていて、今度五ヵ年計画で診療所を非常に殖やすということで、医者を地方に派遣する新しい規定とか、いろいろなそういうものを制定している。
それから恋愛については、第一変っていることは恋愛が自由ということ。ソヴェトは恋愛が自由である。フランスも自由である。そこでどう違う
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