わたしたちには選ぶ権利がある
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)燃《た》きつけ

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九四九年八月〕
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 よたび八月十五日を迎えるにあたって、わたしたち日本の女性は、ますますつよい実感をもって、戦争挑発をやめよ! と叫ばずにいられません。
 去る四月二十日にパリでひらかれた世界平和大会には七十九ヵ国の平和をもとめる人民の男女代表があつまりました。そして誠意にあふれた大会宣言において、こういっています。「われわれがその子供たちの生命とその家庭の安寧を守ることを神聖な義務と考えていることを、世界の希望をになう婦人および母親たちに知らしめよ。世界の青年に告げて、未来の輝やかしい道から大量殺人を一掃するために、政治的意見、信教に関係なく団結せしめよ。世界平和大会はここに、平和の擁護こそあらゆる民族の義務であることを宣言する」と。そして、ポツダム宣言をはじめ世界平和のために役立つ協定や条約をただの紙きれとしてしまおうとしている者たち、軍備の廃止のために協力するどころか、すでにお
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