そるべき結果を生み出している軍事同盟政策に熱中して、西ドイツに、もとのヒットラーの突撃隊員をふくむ師団をつくった、極東の平和を名目として日本の再軍備をしようとしている者を人類の名においてきびしく非難しています。つねに、軍事紛争をひきおこしていて、それが新しい戦争のためにおそるべき道をひらく危険をもっている植民地体制に反対することを宣言しています(インドネシア・マライ・ギリシアの状態が現実に示しています)。
去年の八月十五日、わたしたちが声をあわせて戦争挑発をやめよ、と叫んだとき、それは、きょうの日本の政府が示しているようなファシズムへの傾向を警戒し、監視せよという声でした。ことしの八月十五日、わたしたちの、戦争挑発をやめよ! という叫びは、きわめて具体的に吉田内閣が次から次へと行っているすべての軍国主義復活の政策と、人民抑圧のファシズムの政策をやめよ、と要求しているのです。日本が、この初夏からのち、変って来ていることに心づかないただ一人の女性があるでしょうか。人民生活の底をついた経済窮乏から生じる国内問題をそらすために、わたしたちの目をあてどもなくあのことからこのことと走らせるために
前へ
次へ
全5ページ中2ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング