なぜソヴェト同盟に失業がないか?
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

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(例)[#地付き]〔一九三一年二月〕
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 革命の当時から、ソヴェト同盟について悪い逆宣伝ばっかり企らんでいたブルジョア帝国主義者どもも、今では一つの、驚くべき事実を認めないわけにはいかなくなって来た。それは、ソヴェト同盟にだけは、とにかく失業者がなくなってしまったということだ。まわりの資本主義国ではどうだ。永遠の好景気をゆめみていたアメリカが、既に六百万人からの失業者を出している。行きづまった資本主義帝国では産業の合理化と労働強化で、プロレタリアートをしめ木にかけてる。生活水準、労働条件は悪化するばかりだ。
 世界にあふれる凡そ四千万人以上の餓えた失業プロレタリアートと、いつその失業群につきおとされるかわからない就業労働者とは互に手をつなぎ、このジリジリ迫って来る止めどのない餓死から身を守ろうと戦ってるのだ。
 世界じゅうのどんな意識の低いプロレタリアートでも、彼がプロレタリアートならやきつくように知っている。ソヴェト同盟では、失業者が
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