たかも妨害になるような発言をされている」のは「裁判所を信任されていないことである」云々とたしなめた。
 ニッポン・タイムスは、これらの状況を「茶番になった第二回公判」として、「法廷は小型の議会になった」と書いている。
 午後、川口検事によって起訴状が読上げられた。その起訴状の内容がどういうものであるかということは、公判速記がありのままに記録している。
 裁判長「(前略)偽証の方で、このほか数名とあるが、それがわかっておりますならばその内容をいって下さい。」天野検事が、横谷、外山、清水、宮原、伊藤、田代の名をあげる。「以上です。」
 裁判長「喜屋武ほか十数名とあるが、どうですか」天野検事、竹内被告をのぞく十一名のほかに五名の名をあげ「以上であろうと思います。」
 布施弁護人が、各被告の起訴の日づけが、まちまちである点、その他曖昧に書かれている個処について質問をはじめた。「これは事件の内容全貌についての見通しがあって起訴が行われたのでしょうか。そのことをまずききたい。起訴の第一次の段階で事件の全貌がいかにつかまれていたか、はっきりしていたかについて、また発車が人意か共犯か否かについても起訴
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