より全運動の見地から報告討論されたらしく思える。(わたしは病気で欠席し、最後の日の数時間出席したばかりであったが)しかし、「勤労者文学」のことは、前大会での提案者徳永直の報告に一任されている。「民主主義文学運動についての報告」(岩上順一)の、最後の部分「日本民主主義運動の深まりやはげしさを強力に反映する創造や批評の活動につきすすむ」必要、「全人民の民主化運動のなかに成長しはじめている」「市民層知識層の活動もけっして見のがされてはならない」という部分と、そのためには「勤労者文学」について新しく大きい見かたが緊急に必要ではないかという点とが、かみ合わされていない。勤労者文学対策の強化、作品指導キカンの設置、講座、学校、入門書の発行、などがあげられているだけで、きょうの段階では、どうしても「勤労者文学」という規定そのものが見直されなければ民主主義文学運動全体として発展しにくいという基本点はとりあげられていなかった。
この大会での「勤労者文学の前進」という徳永直の報告は作家らしくこまかい気くばりにみちたものである。かんでふくめるように述べられている。けれども、少くともわたしは、報告者をあのよ
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