その願いを現実に
――※[#「火へん+華」、第3水準1−87−62]子さんへの返事として――
宮本百合子

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(例)※[#「火へん+華」、第3水準1−87−62]子さんへの返事として
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 昨年のことであったか、それとも一昨年になるか、わたしはある婦人雑誌で思いがけない柳原※[#「火へん+華」、第3水準1−87−62]子さんの文章をよんだ。そして深く心にきざみつけられた。その文章で、わたしははじめて※[#「火へん+華」、第3水準1−87−62]さんが愛息香織さんに戦死されたことを知り、母としての※[#「火へん+華」、第3水準1−87−62]子さんは香織さんの霊が不滅であることを信じずにはいられない思いであることを知ったのだった。
 ※[#「火へん+華」、第3水準1−87−62]子さんが宮崎龍介氏との結婚を法律的に認めさせ、香織というかぐわしい名を与えたその赤子を自分たち夫婦の子として確保するために、二十数年前の
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