ですね」
 屑やのお父さんも賛成。
 タビやのお母さんは
「警察のうらだから工合がわるいと思う」
 行政学会
「今そんなことを云っているときでないでしょう 私はやすんで行きます」
「私はどこでも行って云うからいつでも」
 行政
「あした金曜だから土曜日だったら、一晩とまったっていいよ、みんな都合はどうだろうね」
「じゃ警察へ行くことは決定したんですね」
「ああ、そりゃ きまったんだ」
 あさってというのは 一月二十一日のレーニン・デーだときがつき ハッとする、
「二十一日なら私 となりのおかみさんもつれてゆくよ」
「じゃおかあさん工場どうします(タビ)」
「私もじゃやすむ」
 ――――
「工場がひけてからがいい」
「その時分じゃもうひけていないよ」
 行政学会が 九時に行こう、托児所(八時半)
 こんどは褓母がいっちゃいけない。みんなだけでゆこう。
 屑やのお父さんがこの前、褓母を迎えに行った。そして誰にそそのかされたかときかれたから

「行くときのことを話さない?」
 大崎の特高の入口はせまい。下でぐずぐずさせちゃいけない、
「誰かあすこ知っている人居ない?」
 裏から入ることにする
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