「若い息子」について
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)革命は不可避である[#「不可避である」に傍点]という
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  若い息子
 は、革命は不可避である[#「不可避である」に傍点]という自由主義的インテリゲンツィアの認識を基本としているものである。

  「若い息子」について。
○ボグダーノフのみが彼の主観的観念論によって、過去の遺産をプロレタリア文化建設から排撃したのである。
○「歴史過程の合則性」を新カント派の連中は宿命論 運命論にまで歪めている。――不可避論において。――自由主義的インテリゲンツィアが革命を不可避[#「革命を不可避」に傍点]と認める心持の中には多分にこの新カント派の影響がある。
(だから歴史の合則性によって、放っておいても社会は変革すると新カント派は云うが)「歴史過程の合則性は社会的実践を通じて 自分に目的を課し、且つこの目的を実現する人の動作を通じて実現されるのである。」
 これを自由主義的インテリゲンツィアは認めないから、観念においての進歩主義は実践における反動とあらわれる
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