。(反動をケイベツしつつ、左が援助を求めると、ことわる実例)
○「イディオロギーは物質的利害や階級闘争とは独立に発展する」p.102ベルンシュタインはこういう。そして、インテリゲンツィアも「わかってはいるのさ、今時それぐらいのことの分らぬ奴があるか」という。だがこの分りかたは、観念論者ボグダーノフ流に「実践とは意識を組織することである」となるか、さもなければ p.102「資本主義体系の衰滅は、労働者階級の意思の意識的仕事でなければならぬ」というヒルファーディングの言葉どおり 自分ら中間勤労者をも含む資本主義体系の内的法則から起るものであるという現実を後方に押しやり、その現実が必然に課する歴史的任務を自分の前から押しのけようとするのである。
――○――
野上彌生子の進歩性の中には多分に「『意欲の合則性』の実現の程度に応じて、人間は地球の創造者となりその改造者となる より全般的になればなるほど合理的社会生活が営まれる」というアドラー流の考えがある。p.103
底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
1981(昭和56)年5月30日初版発行
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