務につくせる。
 女の幸福、子供の幸福のためには、例えば到るところに託児所がある。幼稚園がある。無料でごくヤスい金であずかってくれる。
 大本教の兄さんが云われるように、何も女は子供のギセイとなんかならず。子供も母ももろともにのびのび生きて、正しく働けるようになる。
 お互にそういう世の中にこの世をしたいからこそ、そして、それはプロレタリア、農民の社会にならなければ出来っこないからこそ、めいめいがめいめいの職務で身に応じた根づよい働きで、その日を早く来させようと闘っているのです。
 わたし達は、たとえたった一つのことでも正しいことを知ったら、きっとそれを自分のまわりの何人かに分らせて行くような努力を、いつも忘れてはならないと思います。
 自分ばかりが多勢の中で物が分っていたって何もなりはしないし、実際のことは出来もしません。
 あなたが、これらのことをこまごまと親切に話し、なるほど道理はそうかもしれないが、俺は許さん! と良人の方がガン張れば、それはその時だと思います。
 あなたが、自分は解放運動のために働くしか生きるに道がないと信じ、良人の考えは変らず、離婚するしかないと分れば嫁入り
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