空家の冒険
コナン・ドイル
三上於莵吉訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)知悉《ちしつ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)五|磅《ポンド》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]
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一八九四年の春、――ロナルド・アデイア氏が全く不可解な、奇怪極まる事情の下に惨殺されたのは、当時はなはだ有名な事件で、ロンドン市民は一斉に好奇の目を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》り、殊に社交界の驚愕は大変なものであった。
警察側の探査に得られた、犯罪の詳細については、世間はもう知悉《ちしつ》してしまった形であるが、しかしこの事件の発生当時は、その犯罪の大部分は、秘密に附されたのであった。そしてまた起訴のためにも、その事実の詳細などは、世間に発表する必要などはないほど、圧倒的な大事件であったのである。さてその後十年、――私はようやくこの驚異すべき大事件の、散乱した記憶を集めて、精細に発表
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