来るものは、決してそう決定的ではない。ちょっとした文章などで平均を取ってみたら、あるいは反対の現象を現わしているかもしれない。まあ大ざっぱに云ってみて、T、A、O、I、N、S、H、R、D、L、――と云うのは、その頻出数の順序であるが、しかし、T、A、O、Iなどは、実に伯仲しているからね。これ等の結合を考えて、意味を見出そうと云うことは、それは全く際限の無い仕事になる。それで私は、新たな材料の来るのを待った。第二回のヒルトン・キューピット氏との会見では、私は二つの短い文章と、一つの牒号《メッセージ》を提供されたが、この牒号《メッセージ》には旗が無いので、単語に相違ないと思った。これがそれですがね。さて単語としてみると、これは五文字から成る単語で、しかも私が先に推定したEが、第二と第四にあるもの。――それは SEVER(切り放す)か、LEVER(梃子《てこ》)か、NEVER(けっして、―打ち消しの)などとなる。哀願に対する返事としては、この最後のものはもう異論なく、最も適当である。そしておそらくはこれは、夫人の書いた返事であろうと思われる点も大いにあるのだ。
これだけのことを認容してみる
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