みましたが、しかしこれはまた、私にとっても全く最初のものでした。この暗号を案出したものの考えでは、これに意味があるなどと云うことは巧みに隠して、ただ子供たちを、気まぐれにスケッチしたものだと思わせるつもりなのだがね。
 しかし、これも結局文字の代用であるとわかって、それからあらゆる暗号文字の解釈に適用する法則をあてはめたところ、この解釈も容易でした。最初に私の手に入ったものは、ごく短いものだったので、[#図6入る]この記号はアルファベットのEを表わすものだと云うことを、云い切られただけでした。御存じの通り英語のアルファベットの中では、Eは最も普通の文字で、どんな短い文章のなかでも、一番出て来る文字ですからな。この最初手に入った文章の中では、十五の記号の中で、これは四つだけあって、一番多かったので、これをEと帰納したわけです。それから記号もある時は旗を持ち、ある場合は持っていないが、段々考えたらこの旗は、文章を言葉に区切るためのものでした。私はこれを仮説として立てて[#図6入る]をEと置いたのです。
 しかしここまではいいとして、これから先がなかなか大変なのです。英語の文字では、Eの後に
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