と、もう記号の[#図7入る]はそれぞれ、N、V、R、と云うことになる。
しかしまだまだ私には、難関があるのであったが、幸いに他の文字の解釈に、都合のよい思いつきが浮んだ。つまりもし私の予想が違わないとすれば、この哀訴が夫人の以前の腹心の者から来たものとすれば、両端にEがあって、真中に他の三文字のあるものは、結局、ELSIE と云う名前に、ぴったりと吻合《ふんごう》して来る。それで更によく調べてみると、三度とも文章の末尾が、この組合せで終っているのを発見した。それでこれは ELSIE に、何か訴えて来たものに相違ない。こうして私はLと、Sと、Iを得た。しからば一たい何を訴えて来ているのであろう? この ELSIE の前には、四文字あって、しかも終りはEである。これは確に COME であろうか、――私は外《ほか》にも、Eで終っている、四文字の単語を考えたが、しかしどうもこの場合に適当と思われるものは見当らなかった。それで私はこうして、C、O、M、を得たので、今度は再び最初の文章にもどって、これを言葉に分けて、未発見の記号と共に、書き並べるまでになった。そうしたら、次のようなものとなった。
前へ
次へ
全58ページ中42ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三上 於菟吉 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング