るように簡単でもなく、また予想どおりにも行かないだろうということをさとった。
「私たちは、室蘭で片がつかなければ働かないだろうと思います。この要求はほとんど海事法に定められてある最小範囲から、きわめてわずか出ているか、いないくらいのものだし、その他の問題も普通の問題です。今ごろ要求するのは、われわれの迂愚《うぐ》であり、同時に万寿丸の恥辱でしょう。しかし、それは、われわれにとっては、全く切実な問題なのです。これは、あなた方にとって全く一顧の価値もない、軽易な問題でしょう。それがわれわれには重大な問題なのです。これをごらんの上承諾してくださるように希望します」
ストキはまるで小学校の生徒が読まされる時のように、「まじめ」くさってそう言った。
ボースンはもじもじしていた。逃げるにも逃げられないわけであった――
「とにかく、おれには何とも返事ができない。船長が帰ってから、船長と相談して返答する。だが、ストキ、こんなこたあよした方がいいぜ、これはお前のためにおれは言うがなあ、もうお前も三十三なんだから、考えてもいい年じゃないか、これや全くよした方がいいぜ、船長がウンというはずがないと思
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