における囚人の営養よりも、十三サンチームだけ営養が少なかったと書いている。(資、一ノ三、二二四ページ)
世の中には、監獄よりも、食物や、労働においては、中には一切にわたって、苦しい、生活をしている者もあるのだ。
ボーイ長は、負傷して、見舞金をもらって、初めて、そんな――炭火の埋《い》けられた、茶の道具の並んだ盆や、名前も知らない非常にうまい菓子を食べ、お茶を飲み、ゆっとりとした、――気分を味わうことができたのであった。これは、監獄にはいって来て初めて「豚の肉」に、ありついた哀れな労働者と似てはいないだろうか?
――私は、読者に、断わって置かねばならないのは、以上のことによって、監獄がいいところだということには、ならないことを承知してもらいたい、監獄よりも悪い条件が、あるということは、監獄が、いいということの、一つの条件にもなり得ないからだ。――
ボーイ長は、その注意を足や胸から、しばらくの間は、引き離すことも、できるようになった。彼は、つまり、いくらかほかのことも、考えることができるようになった。というのは、手術をしたり、薬の香をかいだりしたのが、彼を、いたわったのだ。
「船
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