知ってる範囲では、君にも、三上君にも何らの責任はないと思うよ」と彼は答えた。
 「そうだろうか、だけど、三上は十円無理じい見たいにして借りたもんなあ。それに、昨夜《ゆうべ》は帰らないで、今日《きょう》は伝馬をどっかへ持ってっちゃったしね。僕は今、一切が僕に責任がかかって来やしないかと思って心配してるんだよ、そら僕には責任があるんだけどね。どうしたらいいだろうか、船長が帰ったら、すぐにあやまりに行ったらどうだろう、ね」
 小倉は途方に暮れていた。彼はその事柄が帳消しになるためなら、今から裸になって、海へ飛び込めといわれれば、そうすることの方をはるかに喜んで、かつ安心したであろう。彼は「これほどの問題が、まだ片づかない」という、宙ぶらりんの状態であることを極度に恐れた。彼は、この問題が、「いつかは現われるが、まだいつかそれはわからない」ような状態で、一、二か月も続くとすれば、彼は自分と三上との二つの行為をくるめて、道徳的にも、法律的にも――もしありとすれば――物質的にも、一切合切を自分で責任を背負った方がどのくらい楽だったかしれなかった。
 「おれはもう、これが三年越し引き続いた事柄のよう
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