は「!」なし] ここでこのままへたばって眠った方が気がきいてらあ、畜生!」
 三上は、この時すこぶるおめでたい、がしかし実際的な、そして架空的な、とっぴな計画を立てていた。そして、その計画は、船長が「わかる」ようにしてくれれば、やらずに済むのであったが、もし、おれをだましでもしたら、かまわないから、やってやろうとした、復讐的な意味をも含んだところのものであった。
 三上はこう考えた。船長はおれをきっと女郎買いにやってくれるつもりに相異ない。船長だっておれが上陸ごとに女郎買いに行くのは、知ってるんだから、それに今夜は、あんなふうにいってたんだから、きっと「サンパンは纜《もや》っといて、泊まって明朝帰ればいい、サア」といって十円は出すだろう。そこで、小倉は女郎買いには行かないに違いないから、やつを宿屋か何かにほうり込んで置いて、それから……と彼はうっかり笑った。
 「もし、万が一、そのままうっちゃらかしてでも行きゃがったら、その時はきっとやってやるから」と、すごい目つきを、闇《やみ》に向かって光らせて「見せた」。
 三上は、変態性欲的というか、あるいは不飽性性欲的というか、または、彼の肉体
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