光沢多き紙を用ゐる。越中の人に限りて皆半紙を二つ切にしたるを二つに折りて小く句を書くなり。はがきに二句か三句認めあるはいづれの地方に限らず初心なる人の必ずする事なり。[#地から2字上げ](二月二十八日)

 黄塔《こうとう》まだ世にありし頃余が書ける漢字の画《かく》の誤《あやまり》を正しくれし事あり。それより後よりより余も注意して字引をしらべ見るに余らの書ける楷書《かいしょ》は大半誤れる事を知りたれば左に一つ二つ誤りやすき字を記して世の誤を同じくする人に示す。
 菫謹勤[#「菫謹勤」に白丸傍点]などの終りの横画は三本なり。二本に書くは非なり。活字にもこの頃二本の者を拵《こしら》へたり。
 達[#「達」に白丸傍点]の字の下の処の横画も三本なり、二本に非ず。
 切[#「切」に白丸傍点]の字の扁《へん》は七なり。土扁に書く人多し。
 助[#「助」に白丸傍点]の字の扁は且なり。目扁に書く人多し。
 ※[#「麾−毛」、42−8]※[#「麾」の「毛」に代えて「手」」、42−8]※[#「麾」の「毛」に代えて「石」」、42−8]※[#「麾」の「毛」に代えて「鬼」」、42−8][#「※[#「麾−毛」、4
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