曙覧の歌
正岡子規
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)俊頼《としより》集
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)高雅|蒼老《そうろう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「穴かんむり/果」、第3水準1−89−51]
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余の初め歌を論ずる、ある人余に勧めて俊頼《としより》集、文雄《ふみお》集、曙覧《あけみ》集を見よという。それかくいうは三家の集が尋常歌集に異なるところあるをもってなり。まず源《みなもとの》俊頼の『散木弃歌集《さんぼくきかしゅう》』を見て失望す。いくらかの珍しき語を用いたるほかに何の珍しきこともあらぬなり。次に井上文雄の『調鶴《ちょうかく》集』を見てまた失望す。これも物語などにありて普通の歌に用いざる語を用いたるほかに何の珍しきこともあらぬなり。最後に橘《たちばなの》曙覧の『志濃夫廼舎《しのぶのや》歌集』を見て始めてその尋常の歌集に非ざるを知る。その歌、『古今』『新古今』の陳套《ちんとう》に堕《お》ちず真淵《まぶ
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