きかきて苧《お》をうむ窓に霰《あられ》うつ声
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砂月涼《さげつすずし》
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そとの浜|千《ち》さとの目路《めじ》に塵《ちり》をなみすずしさ広き砂上《すなのうえ》の月
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薔薇《そうび》
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羽ならす蜂あたたかに見なさるる窓をうづめて咲くさうびかな
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題しらず
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雲ならで通はぬ峰の石陰《いわかげ》に神世のにほひ吐く草花《くさのはな》
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歌会の様よめる中に(録五)
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人麻呂の御像《みかた》のまへに机すゑ灯《ともしび》かかげ御酒《みき》そなへおく
設け題よみてもてくる歌どもを神の御前にならべもてゆく
ことごとく歌よみいでし顔を見てやをら晩食《ゆうげ》の折敷《おしき》ならぶる
汁|食《めせ》とすすめめぐりてとぼしたる火もきえぬべく人|突《つき》あたる
戸をあけて還る人々雪しろくたまれりといひてわびわびぞ行《ゆく》
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初午詣《はつうまもうで》
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稲荷坂見あぐる朱《あけ》の大鳥居ゆり動《
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