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目の下の小春日和や八王子[#地から2字上げ]鳴雪
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飯繩權現に詣づ。
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ぬかづいて飯繩の宮の寒きかな[#地から2字上げ]鳴雪
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屋の棟に鳩ならび居る小春かな
御格子に切髮かくる寒さかな
木の葉やく寺の後ろや普請小屋
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山の頂に上ればうしろは甲州の峻嶺峨々として聳え前は八百里の平原眼の力の屆かぬ迄廣がりたり。
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凩をぬけ出て山の小春かな
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山を下りて夜道八王子に著く。
八日朝霜にさえゆく馬の鈴に眼を覺まし花やかなる馬士唄の拍子面白く送られながら八王子の巷を立ち出で日野驛より横に百草の松蓮寺を指して行くに、
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朝霜や藁家ばかりの村一つ
冬枯やいづこ茂草の松蓮寺[#地から2字上げ]鳴雪
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路に高幡の不動を過ぐ。
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松杉や枯野の中の不動堂
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小山を※[#「えんにょう+囘」、第4水準2−12−11]りて寺の門に至る。石壇を上れば堂
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