ならぶや夕時雨」の下にポイントを下げて2行で]
【玉川】
鮎死て瀬の細りけり冬の川
冬川の涸れて蛇籠の寒さ哉 重出
吹雪くる夜を禪寺に納豆打ツ
稻かりて力無き冬の初日哉
雪の脚寶永山へかゝりけり
朝霜や藁家ばかりの村一つ
松杉や枯野の中の不動堂
色里や時雨きかぬも三年ごし
夜廻りの鐵棒はしる霰哉
十一騎面もふらぬ吹雪かな
誰かある初雪の深さ見て參れ
【乞食】
初雪の重さ加減やこもの上
【石手寺】
しくるゝや弘法死して一千年
白きもの又常盤なりふじの雪
赤煉瓦雪にならびし日比谷哉
親牛の子牛をねぶる霜夜哉
しぐるゝやともしにはねる屋根の漏
灯の青うすいて奧あり藪の雪
爪琴の下手を上手にしぐれけり
猪の 牙ふりたてる 吹雪哉
岩ふみはづす
[#「牙ふりたてる岩ふみはづす」は、「猪の」と「吹雪哉」の間に挟まれるような形でポイントを下げて2行で]
むつかしき姿も見えず雪の松
くれ竹の雪ひつかつき伏しにけり
内川や外川かけて夕しぐれ
興居嶋へ魚舟いそぐ吹雪哉
瀧壺の渦にはねこむ霰哉
凩にはひつくばるや土龜山
引拔た手に霜殘る大根哉
角《カク》池の四隅に殘る氷かな
寒月に悲しすぎたり兩
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