には興|少《すくな》し。球戯はその方法複雑にして変化多きをもって傍観者にも面白く感ぜらる[#「球戯はその方法複雑にして変化多きをもって傍観者にも面白く感ぜらる」に傍点]。かつ所作の活溌にして生気あるはこの遊技の特色なり[#「かつ所作の活溌にして生気あるはこの遊技の特色なり」に傍点]、観者をして覚えず喝采せしむる事多し[#「観者をして覚えず喝采せしむる事多し」に傍点]。但しこの遊びは遊技者に取りても傍観者に取りても多少の危険を免《まぬか》れず。傍観者は攫者《キャッチャー》の左右または後方にあるを好《よ》しとす。
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ベースボールいまだかつて訳語あらず、今ここに掲《かか》げたる訳語はわれの創意に係《かか》る。訳語|妥当《だとう》ならざるは自らこれを知るといえども匆卒《そうそつ》の際|改竄《かいざん》するに由《よし》なし。君子《くんし》幸に正《せい》を賜え。
升《のぼる》 附記
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[#地から2字上げ](七月二十七日)
底本:「ことばの探偵〈ちくま文学の森14〉」筑摩書房
1988(昭和63)年12月20日第1刷
初出:「日本」日本新
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