は何か?」
ロジャアス裁判長の問いに、ルウスは悪びれもせずに、
「あたしは良人を愛していました。ですけれど、良人以上にサミイを愛していたのです。ああ、サミイ――サミイに対する私の愛は、決して説明することの出来ない気持ちです。男と女との間の恋などよりも、もっと深刻な、もっと真剣な――」
7
「被告には、自分の意識しない残虐性があって、それがこの犯行の誘因となったのではないか」
「そんなことはないと思いますけれど――」
「然し、そんなに愛して居った相手の死骸を、ああも残虐に切断するという事は、とても常識では考えられんじゃないか」
「あの瞬間あたしは気が狂っていたのです」
「それは被告にとって一番都合の好い言葉である。殺人は正当防衛で、残忍行為の時は、一時的に精神の異状を呈しておった、と斯う言うのだろうが、精神鑑定は別の問題として、それで被告の責任は軽くはなりはせんから、予め申聞けて置く」
羅府《ロスアンゼルス》から来たシェンク弁護士のほかに、フォニックスの弁護士としてヘルマン・ルウコウイッツと、ジョセフ・B・ザバサック、この三人が被告側の弁護人、検事は、前に再《たび》た
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