聯絡を保って、今後の進展を報告し合うことに――」
 これで、電話が切れた。
 間もなくフォニックス市のS・P鉄道会社から電報が来て、それによると、トランク発送人は、同市駅の台帳に、マッキンネル夫人と署名したという。この「マッキンネル夫人」は、ロスアンゼルス行きの切符を求めて、トランクと一緒に、その西部廻りの汽車に乗り込んだとある。これがルウス・ジュッド夫人であることは最早疑いの余地はない。
 その間に羅府の捜査は着々進行して、交通課の調査に依り、あの、金髪の女と青年の乗っていたフォウドの自動車が突き留められた。羅府から十五哩程離れている小都会、ホウソン町に住んでいる一婦人の所有車なのだ。
 が、刑事の訪問を受けて、その女は、
「あれはもう使い古した車なので、羅府の若い男の人に売って終いましたよ」
 と言う。
「その買手の住所姓名は、判っているか」
「名前は――ちょっと忘れましたが、家は何でも、羅府ニュウ・ハンプシャア街八二六番地とか言っていたようですよ」


 これに勇躍したライアン刑事は、同僚トレス・マックリィディの二人と緒《とも》に、早速其のニュウ・ハンプシャア街へ駈け付ける。もう
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