来春俺が徴兵《とら》れたら、こりゃお互様のことになるだ。俺、一寸、行って来るよ。」
 親爺は煙管の吸口をがりがり噛んでいたが、そいつをコツンと炉框にたたきつけてからゆっくり云った。
「早く帰って来るだね。ええか、ああ……」



底本:「日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集(七)」新日本出版社
   1985(昭和60)年3月25日初版
   1989(平成元)年3月25日第4刷
底本の親本:「文学新聞」
   1932(昭和7)年4月25日号
初出:「文学新聞」
   1932(昭和7)年4月25日号
入力:林 幸雄
校正:山根生也
2002年2月19日公開
2006年3月31日修正
青空文庫作成ファイル:
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