r[#「o」はウムラウト(¨)付き])という書があるが、これに載せてある法諺の数だけでも、三千六百九十八の大数に上っていることに依っても、その数の夥《おびただ》しいことが分る。しかし、これらは皆な法学または法術上の格言で、法律の原則を諺体《ことわざてい》の短句としたものであって、広く通常人民の間に行われる法の俚諺ではなかった。今、この種に属する格言的法諺の例を挙ぐれば左の如きものである。
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Ignorantia juris non excusat.
  法の不識は免《ゆる》さず。
Abus n'est pas coutume.
  悪弊は慣習に非ず。
Gesetz muss Gesetz brechen.
  法律を破るは法律を要す。
The king never dies.
  国王は死せず。
[#ここで字下げ終わり]
 しかしこれら第一種の法諺は通常法律書にも載っており、その重《おも》なるものは皆な法律家のよく知っているところであるから、ここにはただ一、二を例示するに止めて置く。
 第二種の法諺即ち俚諺もその数は極めて多いものである。これは法学または法術上の原
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