pのサグデン(Sir Edward Sugden)は、素《も》と卑賤に身を起し、後《の》ち大法官に挙げられ、貴族となって、ロード・セント・レオナルド(Lord St. Leonald)と号した人である。サグデンは学生時代に「売主買主の法律」(Laws of Vendors and Purchasers)という書を著わして名声を博し、大法官となった後ちも、数多の名判例を残し、英国法律家の尊崇する大法律家の一人であるが、この人、以前弁護士であった時分には、毎年一万五千|磅《ポンド》、即ち我が十五万円の収入があったが、その後名声大いに加わり、挙げられて判事となるに及んで、その歳入はかえって約三分の一に減じたということである。
地位と収入とが必ずしも相伴わぬことは、古今その揆《き》を一にするが、米の経済学者エリー(Richard T. Ely)の説明に曰く、「俸給の額は、勤労の価値によって決せられずして、地位職掌に必要なる費用によって決定せらるる傾向がある。裁判官の受くるところが、その弁護士時代の収入の三分の一または四分の一に過ぎないことがあるのは、この理由に基づくのである。」
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