閧゚た法律の中に「酔うて人を殴《う》つ者の罰は、醒《さ》めて人を殴つ者の罰に倍すべし」という規則がある(Hooker's Ecclesiastical Polity.)。これは甚だ面白い考えで、酔者は醒者よりも国家に取って危険な人民である。飲酒という行為は未だ罪にならぬけれども、もし悪結果を生じたならば、その悪結果より反致して、飲酒を責任の目的とすることが出来る。また飲酒と殴打とは、行為の聯絡があるから、二種の罰を蒙らすことが出来る。これ予防主義から見ても、懲戒主義から見ても、鑑戒主義から見ても、大いに理由のあることである。ただし古風なる自由意思論者はあるいはこれを非とするであろう。
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 七五 蛙児必ずしも蛙ならず


 テンタルデン卿は、素《も》と理髪師の子であったが、法律を学んでバリストルとなり、後には高等裁判所の判事総長に進み、貴族にも列せられたほどの人であって、その判決には、判例として有名なものが多いのは、英法を学ぶ者のよく知るところである。
 未だバリストルであった頃、彼は或事件について法廷で相手の弁護士と論争した。論熱し語激する余り、相手は終に人身攻撃の卑劣手
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